CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< May 2014 >>
NEW ENTRIES
RECENT COMMENTS
CATEGORIES
ARCHIVES
にほんブログ村
User Heat SEO解析
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS
 
加古川市の根本治療専門院
鍼灸治療院きさらぎ 院長の独り言

ホームページでは伝えきれない役立つ情報、大切なメッセージ、
臨床雑話
恩知らず
0

    世の中便利になった。
    便利になるにつれ、消費電力は増え、ゴミも増えている。
    そのひとつの要因は使い捨て文化。
    今や世界語ともなった「勿体ない」という精神さえ、
    捨て去ろうとしている。
    それはモノを大切にしなくなったということだ。

    100円ショップで買った割れないアクリルグラスと
    百貨店で買ったバカラのグラス。
    あなたならどちらを大切に扱うだろう。

    安物でいくらでも替えの利くものより、
    傷つきやすい、壊れやすい代わりのないものほど
    大切にするのではないだろうか。


    では、あなたの心身はどうだろう。
    いくらでも替えの利く安物だろうか。
    それともかけがえのない大切なモノだろうか。

    自分の身体は自分のものだから、
    安物のように扱っても構わない。
    悪しき生活習慣、不養生を改めようとしない人は、
    潜在的にそんな風に思っているのではないだろうか。


    『お身体を大切に』

    それは身体を甘やかせということではないだろう。
    今のあなたが「楽だ」と感じる在り方、習慣、
    患いを引き起こし、或いは増悪させる不養生を
    どうぞそのまま続けて下さいということではあるまい。

    掛け替えのない大切なものだからこそ、
    大切に扱ってくださいということだ。
    祖先父母から頂き、多くの命に支えられながら生かされている命を
    大切にしましょうということだ。


    自分の身体は自分のものであって自分だけのものではない。
    時間的にも空間的にも無限の縁に支えられて在る「私」の命は
    同時に他の誰かの命を支え、影響を与えている命でもある。
    心身の持てる潜在力を最大限に活かせるよう、
    自分の在り方に責任を持ちたいものだ。

    身体を大切にすること。
    それは生かされながら生きていることへの恩返しの第一歩。

    努々、恩知らずにはなるまいぞ。
    恩知らずのままやりすごす人生。
    そんなの勿体ないからね。




    身體髪膚。受之父母。不敢毀傷。孝之始也。
    身體髪膚  、之れを父母に受く、敢へて毀傷きしょうせざるは、孝の始なり。
                          『孝経』


    加古川の根本治療専門院  鍼灸治療院きさらぎ  http://sinq-kisaragi.net/

    | 元気の底上げ通信(ほぼ臨床から) | 20:08 | comments(1) | trackbacks(0) |
    症状は友達
    0

      「症状とは憎むべきもの。」

      そんな先入観は早々に捨てることが
      健康への近道だ。


      症状とは身体からの警報であり、
      自らを治そうとする治癒力の顕現そのもの。
      心身の不調和をあなたに知らせつつ、
      調整しようと身体が働いている証にほかならない。

      ゆえに症状を憎み嫌うことは、
      治癒力自体を嫌うことであり、自分の身体を嫌うことであり、
      ひいては自分自身への信頼を失うことにつながる。


      本人に信頼されていない身体が根本的に良くなる筈はない。
      自分を信頼していない人は治療に依存的になる傾向があるが
      治すのはあなたであり、あなたの治癒力そのものだ。
      医療はどこまでもその手助けをするにすぎない。


      これは非常に大切なことなので
      ホームページにおいても再三述べているし、
      患者さんにも治療当初から折りに触れてご説明している。
      けれどなかなか誤った先入観から抜け出せない人が少なからずいる。

      遺伝性・先天性の病など一部の例外を除き、
      殆どの病や疾患の原因はあなたの中にある。
      あなたの生活習慣の中にある。

      過食・偏食やサプリメント過多などの食に関わる問題。
      立ち方・座り方・歩き方などの姿勢や身体の使い方の問題。
      考え方の癖、情緒の偏重、価値観・先入観など精神の問題。

      上記3つの生活習慣が積み重なって今のあなたがあるのであり、
      今のあなたの健康状態がある。
      症状はそれらの問題点をあなたに知らせ、
      それ以上身体の状態を悪化させないために必要があって出てきているのだ。

       

      症状を出す必要があるところまで自分の身体を追い込んだのは
      誰でもない、あなた自身にほかならない。



      症状という身体からの声に素直に耳を傾け、自分の身体への理解を深め、
      自分の中に原因があることを受け入れ、生活習慣を改善してゆくこと。
      それを養生という。

      養生あっての治療だ。
      養生なしの治療など砂上の楼閣、焼け石に水。
      日々のあなたの在り様と一回数分〜十数分の治療。
      どちらがより影響力が強いかは比べるまでもない。
      治療で整えた状態をどれだけ維持し、活かせるかは
      本人の自覚と養生にかかっている。

      これは至極当然の道理だろう。

      養生はせずに治療だけで健康になりたい。
      原因は変えずに結果だけ変えて欲しい。
      そんな道理にはずれた考えを「無理」という。


      あなたは症状自体を変えることは出来ない。
      環境を変えることも難しいだろう。
      けれど病や疾患の原因となり、

      増悪因子となる生活習慣を変えてゆくことはできる。
      そのことをよく理解し、出来ないことや現状を素直に受け入れ、
      自分に出来ることに根気よく励んで行ける人。
      症状を通し、治療を通して気づいたこと知りえたことを
      日常に活かし、医療指導を素直に守り実践される人ほど
      当然ながら身体の変化は早く、着実に良くなってゆく。


      症状を憎むこと、治療に依存的になることは
      必ずあなたを根本的治癒から遠ざけるだろう。



      あなたに危険を知らせてくれる友達を
      あなたを助けようと働いてくれている友達を大切にしよう。
      危険がなくなり、助ける必要がなくなれば
      その友達は出しゃばってはこないのだから。



      『人生は一度っきりだから
         生まれ変わるなら 生きてるうちに』
        長渕剛「人生はラララ・・・」より


      加古川の根本治療専門院  鍼灸治療院きさらぎ http://sinq-kisaragi.net/
       

      | 元気の底上げ通信(ほぼ臨床から) | 07:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
      鯉のぼり
      0

        本日は端午の節句。
        こいのぼりを揚げている家は少なくなったが、
        逞しく育って欲しいという願いは
        昔と変わるまい。
        けれど少々気がかりなことがある。

        当院に来院する小学生〜中学生の子供らの事だ。
        これが子供の身体かと思うほど硬い子が多いのだ。
        ストレスや病の影響によるものというより、
        成長期に身体を使いなさ過ぎた結果としての運動器の硬さだ。

        小学生になっても土踏まずが殆ど形成されていないベタ足。
        足の指が地につかない浮き指や外反母趾や内反小趾。
        足指を思うように開けない。動かせない。
        踵を揃えて足底をつけたまましゃがめない・・・etc。

        自分が子供の頃には先ず考えられなかった異常な硬さだ。
        当時も身体が硬い子はもちろんいたが、それは上記のようなことは
        皆当たり前にできることを前提としての硬さだ。

        ただ身体をよく動かしてさえいれば良いかということではない。
        スポーツを良く行っている子でも同様の症状(あえて症状と呼ぶ)を
        抱えている子は少なくない。
        競技特有の動きは出来ても当たり前に出来る筈の基本的な
        身体の使い方、多様な身体使いが出来ないということだ。

        一つは、生活様式が欧米化され、和室が減り、和式便所が減り、
        正座やしゃがむという足・膝・股・腰仙関節を深く曲げ伸ばしする
        機会が著しく少なくなって、下半身の柔軟性を自然に養うことが出来ない。

        一つは、ゲーム機などの内遊びが増え、
        治安上の問題だとか空き地など遊ぶ場の減少により、
        外遊びという身体を多様に使う遊びをしなくなったためだろう。
        外で遊ぶにせよ、平坦でない地道や田んぼ、山・川など、
        多用な動きを求められる場所ではなく、
        アスファルトや整備された公園・コートなど
        身体への負担のない単調な動きだけでやり過ごせる場でしか
        殆ど遊べていない。
        しかも、高機能なシューズが広まり、繊細に身体を使う必要性まで
        奪われてしまっている。

        そんな子供たちの身体の異様な硬さが気になっていたところ、
        NHKの「クローズアップ現代」でも
        ロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)が
        小・中学生の間でも広がってきていると報告されていた。


        運動器症候群とは老化や運動不足による
        骨・筋・関節の弱化・硬化により、様々な動作が困難になり、
        要介護状態へつながる深刻な病だ。
        それが大人になってから起こるのではなく、
        身体を作ってゆく大切な成長期に起こっているということは
        とても深刻な状況だ。
        単に「私、身体が硬いんです」なんて笑っていられる状況ではない。

        番組の中では、転倒時にちょっと両手を着いただけで
        両手首を骨折してしまった中学生が紹介されていた。
        肩や肘や手首や指ほか身体全体を瞬間的に柔らかく、
        緊急時にも柔らかく、程よく力を抜いて身体を
        制御する感覚が育っていれば、両手首同時に骨折なんて
        先ずありえないことだ。
        骨自体の弱さもさることながら、そのような感覚自体が育っていないことが
        何より危険であり、深刻だといえる。

        筋肉や骨を鍛えたり、柔軟性を上げたりすることは鍛錬によって可能だが、
        そのような感覚自体は特に外遊びの中でしか養えないように思う。
        複雑なルールによって動きを制限されるスポーツではなく、
        鬼ごっこやかくれんぼ、以前触れた「ぼんさんが屁をこいた」など
        単純な決め事の中で、多様な場面・条件に柔軟に身体を使うこと、
        筋力のまだ発達していない、大きな怪我につながりにくいうちに、
        人とぶつかったり、転倒したりすることの中でしか
        なかなか養えないのではないだろうか。

        環境や時代のせいにしても何の解決にもならない。
        お父さん、お母さんには子供たちを内遊びに向かわせるゲーム機や
        携帯電話などを子供が喜ぶからと徒に与えずに、
        外遊びの楽しさを伝えてあげて欲しい。


        『百瀬の滝を 登りなば
         忽ち竜に なりぬべき
         わが身に似よや 男子と
         空に躍るや 鯉のぼり』
             作詞 不詳

        竜となりては天にのぼらんとも、
        まずは地をしかととらうる足をぞ望み給わんことを。


        加古川の根本治療専門院 鍼灸治療院きさらぎ http://sinq-kisaragi.net/

        | 元気の底上げ通信(ほぼ臨床から) | 16:06 | comments(0) | trackbacks(0) |