世の中便利になった。
便利になるにつれ、消費電力は増え、ゴミも増えている。
そのひとつの要因は使い捨て文化。
今や世界語ともなった「勿体ない」という精神さえ、
捨て去ろうとしている。
それはモノを大切にしなくなったということだ。
100円ショップで買った割れないアクリルグラスと
百貨店で買ったバカラのグラス。
あなたならどちらを大切に扱うだろう。
安物でいくらでも替えの利くものより、
傷つきやすい、壊れやすい代わりのないものほど
大切にするのではないだろうか。
では、あなたの心身はどうだろう。
いくらでも替えの利く安物だろうか。
それともかけがえのない大切なモノだろうか。
自分の身体は自分のものだから、
安物のように扱っても構わない。
悪しき生活習慣、不養生を改めようとしない人は、
潜在的にそんな風に思っているのではないだろうか。
『お身体を大切に』
それは身体を甘やかせということではないだろう。
今のあなたが「楽だ」と感じる在り方、習慣、
患いを引き起こし、或いは増悪させる不養生を
どうぞそのまま続けて下さいということではあるまい。
掛け替えのない大切なものだからこそ、
大切に扱ってくださいということだ。
祖先父母から頂き、多くの命に支えられながら生かされている命を
大切にしましょうということだ。
自分の身体は自分のものであって自分だけのものではない。
時間的にも空間的にも無限の縁に支えられて在る「私」の命は
同時に他の誰かの命を支え、影響を与えている命でもある。
心身の持てる潜在力を最大限に活かせるよう、
自分の在り方に責任を持ちたいものだ。
身体を大切にすること。
それは生かされながら生きていることへの恩返しの第一歩。
努々、恩知らずにはなるまいぞ。
恩知らずのままやりすごす人生。
そんなの勿体ないからね。
身體髪膚。受之父母。不敢毀傷。孝之始也。
身體髪膚 、之れを父母に受く、敢へて
『孝経』
加古川の根本治療専門院 鍼灸治療院きさらぎ http://sinq-kisaragi.net/